プレミアリーグの午前開催検討は歓迎です!

ランチタイムキックオフより早い午前開催

放映権の高騰で相当に潤っているイングランド・プレミアリーグですが、上記の記事のようにいよいよ午前中のキックオフも検討対象に入ったようです。狙いはアジアのファン層拡大。正午開始のランチタイムキックオフ(日本時間では午後9時)よりも早くなります。時差の影響で深夜や未明の観戦を強いられてきたアジア在住のファンとしては、率直に言って大変ありがたく、検討を歓迎します。ぜひ導入していただきたいです。

現地ファンは当然批判的でしょうが...

現地在住の地元サポーターからは当然、批判の声が噴出するだろうと想像します。昼過ぎからビールを飲み、テンションをあげてスタジアムに乗り込んで午後3時やナイターのキックオフを迎えたい気持ちはよく理解できます。

また、日本やアジア在住のファンでも、プレミアリーグの伝統や雰囲気が崩れてしまうことを懸念する方がいらっしゃるでしょう。実際にランチタイムキックオフの試合は選手のコンディション調整やスタンドのファンの雰囲気作りが難しいのか、通常の試合より少し集中力を欠く展開も見受けられたようには感じます。学術的には詳しく分かりませんが、確かに人間のバイオリズム的にも午前や昼よりも、夕方や夜の方が闘争に向いているのかもしれません。

プレミアリーグを選ぶ大きな理由の一つがキックオフ時間

しかし結局プレミアリーグがアジアのファンをさらに拡大したいと考えるなら、午前中のキックオフ検討は当然の選択肢です。個人的にはチェルシーのファンであることがプレミアリーグを観る最大の理由ですが、例えばもし全ての試合が現地時間の日曜夜(=日本時間の月曜未明)に開催されたら、単純に今ほどファンでいられるか分からないというのが正直なところです。

代わりにリーガ・エスパニョーラが毎試合バルセロナやレアル・マドリッドの試合を土曜の8時とか9時に放送してくれたら...現チェルシーファンとしては恥ずかしながら、ファン心が揺らぎ...浮気し...本気になってしまうかも...?笑。まあそう単純な訳ではないのですが、しかしこうした極端な例を想像するとあながちあり得ない話でもない気がします。特に新しく欧州サッカーファンになる層は試合を観られるリーグに流入するでしょう。結局僕もチェルシーの試合以外で観る試合はランチタイムキックオフ、多かったです。

「世界最高峰」こそ確立し、死守してほしい

単純に考えれば地元サポーターと海外のファン層拡大のどちらを優先し、どちらに我慢を強いるのかという問題になってきます。決してプレミアリーグの伝統を軽視したい訳ではありません。ファンの作るスタジアムの雰囲気、クラブの歴史や伝統はなくてはならないものです。でも、それを守るためにもプレミアリーグにはビジネス拡大を追求してほしいのです。

ビジネス面の成功はやっぱり世界最高峰の選手を惹き付けます。実際に世界的な名将が続々とプレミアリーグに集まり始めているのはご存知の通り。また、今はレアル・マドリッドのクリスチアーノ・ロナウド、バルセロナのリオネル・メッシらバロンドール常連がスペインの2強から選出されていますが、これも10年後に同じ状況とは限りません。

むしろこのままビジネスを拡大していけば、プレミアリーグからバロンドール受賞者が出ることも当たり前になると想像します。「世界最高峰」のリーグというステータスこそより強固に確立し、維持してほしいです。それこそがクラブの歴史と伝統を維持する基礎体力となります。今や敵はリーガ・エスパニョーラやセリエAだけではなく、中国スーパーリーグという強敵もいます。

世界中のファンを新たな伝統に組み入れて

プレミアリーグがこのままビジネスの拡大を追及していくのであれば、ミーハーな層を含む世界中のファンをむしろ伝統に取り入れていくという方向性を打ちだしてほしいです。もっともっとライブで試合を観られるようにして、引き込み、熱狂的なファン、クラブにとってなくてはならない存在にしていくー。世界中にファンがいることこそ、プレミアリーグの新たな伝統になってほしい。そういう目的意識を持てば、午前開催は歓迎すべき一歩であり、決して行き過ぎた商業主義にはあたらないと思います。